循環器内科 医師インタビュー

「生命だけは平等だ」を根底に患者さんの命に携わる

医者になったきっかけはいくつかあります。まずは、祖父が医師だった影響で、以前から医療に興味があり、人の役に立てる職業に就きたいと考えたこと。それから、徳田虎雄先生の著書『生命だけは平等だ。』を読んで感銘を受けたことも大きく影響しています。

専門を循環器内科に決めたのは、研修医時代にあらゆる科の先生に話を聞いたことがきっかけです。結果、循環器内科こそ患者さんの命にダイナミックに携わることのできる、非常にやりがいのあるジャンルだと感じて、専門科に決めました。

虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)治療のスペシャリスト

当院の循環器内科の治療内容は、主に高血圧や糖尿病、高脂血症、動脈硬化といった生活習慣病全般です。

当院では、私が初めての循環器内科の常勤の勤務医として就任しました。私の専門は心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患のカテーテル治療で、動脈硬化にともなう下肢の狭窄、頸動脈などの四肢の血管マネージメントなどに注力しています。また、不整脈に関しては、内服、ペースメーカー、カテーテル検査をしています。

カテーテル手術などが必要な患者さんには、メリットや合併症などのデメリットについてきちんとお伝えします。循環器疾患の場合、根治が難しい病気とは違って、手術さえ乗り切ってしまえば回復に向かうケースも多いのです。手術と言うと、多くの患者さんは不安を抱くものですが、目の前の患者さんが私の身内だったらどうするか?ということを念頭に置いてお話しするようにしています。

トータルでの治療で患者さんの生活の質を高めるために

カテーテル治療自体は、火事でたとえるならば最終手段であり、消防車が現場に急行して消火活動をするのと似ています。消防士の仕事といっても、火を消すだけではありません。防火・防災の指導をすることもあります。それと同様、当院としても、予防医療も含めた治療が理想だと考えています。

また、治療はもちろん、患者さんにとって大切なのは、その後の生活。患者さん1人1人やご家族の希望にあわせて、生活の質を高めるためのリハビリも含めたトータルでの治療が重要です。

昔は比較的若い人が多かった心臓疾患ですが、近年は高齢化社会にともない、今や患者さんは高齢者が大半。心疾患向けのリハビリテーションを強化し、後遺症がある患者さんの生活の質を高めたり、元気に長生きしたりするためのリハビリテーションにも力を入れていきたいです。

当院では、包括的リハビリテーションとして、医師だけでなく、栄養士や薬剤師、リハビリ療法士といったスペシャリストがサポートしています。また、各専門家による、医療・食事・薬剤・リハビリテーション指導のほか、自宅療養が難しい場合、ケアマネージャーや施設選びといったことをソーシャルワーカーがアドバイスしています。

超高齢化社会が進んで医療費が増大していく2025年問題を目前に、今必要なのは、各病院が専門的な役割をしっかり持つことです。そうした背景もあって、今後当院では、地域と連携し、各スペシャリストを結集・養成しながら「循環器内科センター」を創りたいと考えています。

医師として、命を救うノウハウを継承していく使命感

治療を受けたことに感謝されながらも、残念ながら亡くなられる患者さんもいます。医師としては文句を言いながらも、歩いて元気に家に帰って行く患者さんの後ろ姿を見送りたいという思いがあるのです。

そうした意味でも、患者さんの多くは、最終手段として病院に来る方々です。我々医師が最後のストッパーとなる覚悟を持って、専門性を高めながら、日々の治療にあたるよう心がけています。そして私たち医師は、プロフェッショナルとして患者さんの病気を治すのが使命であり、病気を治した上で、今後再発しないようにするところまでが、私たちのなすべきことだと考えています。

始めに医師になった理由をお話ししましたが、高校時代の先輩に、川崎病を発見した川崎富作先生がいたことも大きなきっかけとなりました。当時、川崎先生は市中病院にいながら研究目的ではないにもかかわらず、患者さんの病気を治療するために川崎病の発見にいたったわけです。患者さんと日々接しながら、後世に役立つ発見をしたことは、医師として大きな偉業です。私もそんな医師を目指すべく、臨床研究を意識し、技術やノウハウを若い医師にフィードバックすることで、後世のために役立てたらと考えています。

地域に根ざした、頼れるクリニックとして

当院は大きな大学病院とは違って、科目ごとに細分化されているわけではありません。その点、当院では、生活習慣病全般を循環器内科が外来で診て検査し、治療にあたり、万一入院となった場合でも、外来のときの医師が診るというトータルサポートが可能です。小さなことでも疑問点、心配点があればぜひ当院にご相談ください。

Profile
清水 規隆(しみず のりたか)循環器内科 部長

専門分野

  • 循環器内科

経歴

  • 旭川医科大学卒

専門医・認定医等

  • 医学博士
  • 内科学会認定医
  • 総合内科専門医・指導医
  • 循環器学会専門医・指導医
  • 日本心血管インターベーション治療学会認定医・専門医・指導医
  • 日本心血管内視鏡学会認定医・評議員(全国)
  • 日本心臓リハビリテーション学会指導士
  • 日本不整脈学会植え込み型除細動器認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 心臓機能障害身障指定医