経尿道的水蒸気治療
(WAVE治療)

経尿道的水蒸気治療(WAVE治療)とは

経尿道的水蒸気治療(以下WAVE治療)とは前立腺肥大症のための最も新しい治療方法です。
前立腺肥大症に対して、当院では内服薬による保存的治療や 経尿道的手術(TUR)を行っておりましたが、2024年10月からWAVE治療【Rezum(レジューム)】を導入しました。

経尿道的水蒸気治療
経尿道的水蒸気治療

Rezumでは、前立腺に細い針を何カ所か刺し、そこから103℃の水蒸気を前立腺内に注入します。これにより前立腺組織が約70℃に加熱され組織壊死をきたし、肥大症による尿道の圧迫が軽減できます。従来の経尿道的手術(TUR)と同じ効果が得られます。
経尿道的手術(TUR)では手術時間が1~2時間程度かかり、術後の出血のリスクもありましたが、WAVE治療では手術時間は約5-10分程度、入院期間も2泊3日と、非常に負担の少ない治療となります。
ただし、時間をかけて前立腺組織が縮小するため経尿道的手術(TUR)のような即効性はありませんが、1か月後には投薬なしで良好な排尿が得られます。

治療の適応

前立腺肥大症による排尿症状があり、薬物療法で充分な効果が得られない場合、または尿閉や尿路感染などの合併症がある場合に手術療法の適用が考慮されます。全身状態や基礎疾患により周術期リスクが高く、一手術療従来の法が困難な方に適用されます(日本泌尿器科学会;経尿道的水蒸気治療に関する適正使用指針)。治療する前立腺のサイズは30~80mLの大きさが適当とされています。抗血栓薬、抗血小板薬の中止は必須ではありませんが、休薬しないで手術を行う場合は出血に注意する必要があります。

※全ての前立腺肥大症には適応されませんので、治療適応については主治医と相談が必要となります。

当院での治療の流れ

治療時間は平均10分以内程度と短く、当院では原則として、全身麻酔下による2泊3日の入院で行っています。治療後は、一時的な前立腺のむくみが生じるため、術後約1週間程度の尿道カテーテルの留置が必要です。したがって尿道カテーテルは退院後の外来再診時に抜去します。なお、もともと前立腺体積が大きく重度の排尿障害があった患者さんは約1か月程度のカテーテル留置が必要となることもあります。

治療の流れ